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『不育症 最近の話題』

Dsc_0568_2先日松本市で行われた長野県生殖不妊研究会に地元産婦人科医と胚培養士の方と参加してきました。

今回はテーマがまとまらず発表はできませんでしたが、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。

一般講演は8題あり、不妊症認定看護師の話や意識調査、アンケートによる検討や、高圧高酸素カプセルの不妊治療への応用の話や再凍結胚移植、精子長期保存の問題など生殖医療の現場の話が聞けて大変勉強になりました。

特別講演は不育症治療の第一人者である杉ウィメンズクリニック不育症研究所の杉俊隆先生に「不育症 最近の話題」というテーマでお話を聞くことが出来ました。

基礎的な話から最近の不育症の情勢、治療まで大変勉強になる話を聞くことが出来ました。

お聞きした内容は
・1回の妊娠で15%は流産する可能性がある。
・流産の80%は胎児の染色体異常によるもの。
・卵子の25%はもともと染色体の異常がある。4個に1個は異常。
・年と共に染色体異常の比率は高くなる。
・受精卵の時点では40%、着床前で25%、妊娠した時点では10%が染色体異常であると言われている。
・流産率は35歳を過ぎると20%、40歳で40%、42歳で50%。35歳の人が2回続けて流産する確率は4%、3回は0.8%。
・不育症のおよそ半分は染色体異常による自然淘汰。
・もう半分は抗リン脂質抗体などの血液凝固因子によるもの、糖尿病、甲状腺機能異常、感染症、中隔子宮などの子宮形態異常と言われている。
・甲状腺の異常は甲状腺ホルモンそのものが影響するのではなく自己免疫異常の方が多いので抗体ができやすい方が多いことが原因なのではないか。
・血液凝固因子のある方は妊娠高血圧症候群にもなりやすい。
・第12因子や抗PE抗体が不育症の原因となっていると言われているが、その中で本当に病原性のあるものを特定するには至ってない。
?血液凝固因子が原因の不育症患者が切迫流産で出血がある時、止血剤は使わずアスピリンやヘパリンの抗凝固剤を使う。
・血液凝固因子が原因となっている不育症の治療は高温期中期からのアスピリン服用か、GS確認後から1日2回ヘパリンの自己注射、またはその両方を使うのがスタンダードである。
・着床障害のある不妊症患者に着床前からアスピリン、ヘパリンを投与しても着床障害は改善されないと言われている。
・ヘパリン自己注射は保険適応になったが、不育症としては適応とならず、血液凝固異常のある方の血栓予防として適応となる。(生命保険に加入できなくなることもある)
・不育症に対する公費の助成制度は全国で30くらいの市町村で行われている。およそ30万円くらい支給されている。
・血液凝固因子が原因の不育症は適切な治療を行うことで85%の人が無事出産することが出来ている。
・染色体異常が原因で流産を繰り返している人も4回目の妊娠では80%以上の人が出産できている。
・不育症の共通点は子宮、胎盤の血流障害である。

・・・ざっと覚えている範囲で書いてみました。

流産に対して『私が何かをしたから…私のせいで・・・』と自分を責めている人いますがそうでないということを理解するべきだと思います。

流産に対しては避けられない一面もありますが、鍼灸治療により流産率が改善されたという報告もあります。実際に当院においては統計的な優位さを出せる状況ではありませんがなぜか流産する方が少ないのが現状です。(今度統計を出してみたいと思いますが…)

不育症の共通点として子宮の血流障害があることを考えると鍼灸治療によりその一役を担える可能性もあるのではないかと考えております。

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